第5報:「室内防寒仕切りの効果(mht005_951)

 

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2009/5/2 by hiro


1.概要
  机の窓側にマットレス(敷フトン用の古いもの)を防寒仕切りとして写真のように配置してみました。
机に向かったときの足元の冷えがだいぶ楽になりました。
  そこで仕切りの窓側と室内側(机側)の温度差を測定してみました。その結果、数値的には、わずかな差ですが体感的には腰から下の寒さがずいぶん緩和されることがわかりました。

2.防寒仕切りの寸法、配置、測定法
  防寒仕切りには敷布団の下に敷く使い古しのマットレスを使いました。マットレスは三つ折のもので中央のマットを抜いて床面に立てたマットレスが倒れないように棒を通して支えました。Phot.1 を参照下さい。
Pho.1 防寒仕切り配置状況
 マットの厚さは35mmです。マットレスはDwg.1およびPhot.2に示すように窓の左にある整理ダンスと右にある書棚小の間の窓から約900mm離れた位置に配置しました。防寒仕切りの高さは950mmで、整理ダンスと書棚小との間隔は800mmです。窓は幅1500mm、高さ1500mmのアルミサッシで金網入りガラスが入っています。この窓が床面から370mmから上の位置にはめ込まれています。
Drg.1 部屋のレイアウト
Drg.1 部屋のレイアウト
Pho.2 窓からの位置
 高い位置の温度測定についてはカメラ用のスタンドに棒をくくりつけて、この棒の先に温度計をつけて測定いたしました。Phot.3 を参照下さい。この写真のように、測定中は窓のカーテンは閉じた状態で行いました。カーテンは薄手のレースのカーテンと厚手のカーテンの二枚からなり、これらを閉じて測定を行いました。なお、Phot.2は厚手のカーテンを開いた状態で撮影したものです。

 温度計からぶら下がっている紐は 高さ測定のための目盛付きの布製のテープです。
 この写真からわかるように、三つ折のマットレスの中間のマットを取り除いて棒を通して倒れないように吊るすようにしています。しかし、マットレスの下端は床面に密着させています。棒までの高さは床面から950mmですがマットの入っている点までの高さは700mmです。
 なお、机は引出しを半開し その上に板を載せて広くして使っています。
Pho.3 高い位置の温度測定
 
3.測定結果とまとめ
  測定結果をGrf.1に示しました。
  このグラフから防寒仕切り前後における高さ方向の温度分布を示します。防寒仕切りの窓側と部屋側とで4〜5℃の温度差があることがわかります。床面付近で温度分布が急変していますが、これは床面の水平方向の温度分布の影響を受けているためと思われます。すなわち、部屋内部の温熱の一部は床を通して外(窓の方)に向かって逸失しているわけすが、防寒仕切り辺りでは床面近傍の空気の温度よりも床の温度が高いことによると思われます。すなわち、防寒仕切りの窓側の床面温度は10℃であり、部屋内部側の床面温度は13℃であるわけです。なお、窓側と部屋内部側の床面測温点は10〜15cm程度は離れていました。
 緑の▲は防寒仕切りを取り除いた状態での温度分布です。防寒仕切りのある辺りでの防寒仕切り有る無しの温度差(赤●と緑▲の差)は1〜1.5℃です。防寒仕切りの上部では差(橙●と緑▲の差)はほとんど認められません。このことからすると、防寒仕切りの効果は高々1.5℃と言うことになります。しかし、防寒仕切りを置くことによって、机にかけた場合の腰から下の寒さはだいぶ緩和されました。すなわち、体感的には1.5℃以上の効果あると感じました。これは防寒仕切りによって窓からの冷たい空気の流れが抑えられるためであると思われます。よく知られているように空気の流れ(風)があると体感温度は低くなるわけですが、これを抑える効果もあったわけです。それから、足元(床面に近いところ)の温度差は防寒仕切りがない場合よりも約2℃高くなっています。足元の冷えに対して特に有効と言うことになりますね。さらに、床面の温度がいくらかでも高いと言うことは部屋の温熱の外への逸出がより少ないことなるので長時間的には部屋の温度も保たれやすいことを意味します。この点でも効果があるわけです。
 グラフの中の桃■は部屋のほぼ中央の高さ方向温度分布です。当然ながら全体に窓の近くより高いわけで、この点では 机は窓際よりも部屋の中央に置く方がよいわけです。夏は逆ですね。
 なお、足元と顔の位置との温度差をみると防寒仕切りあった位置では3.5〜4℃、部屋中央ではでは1.5〜2℃ありますが、平均的には1〜1.5と最も差が小さくなっています。これも低温部に向かう空気の流れが抑えられるからでしょう。
以上
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